二級建築士学科試験解答速報【計画】

二級建築士学科試験の解答速報は、続いて学科Ⅰ建築計画についてです。


 


■初めて見る問題もあって難しいように感じるが、過去問からの出題も多く、全体的に見ると昨年と同じ程度の難易度ではないかと思われる。ただし、試験は独特の雰囲気の中で行なわれ、また、最初の方に新傾向の問題があり、前半で動揺して後半の問題を落ち着いて答えられず、後で見直して、「何でこんなの間違えたんだ」と言っている受験生が多いかもしれない。


 


●問題1の建築史の分野では、近代建築の問題が出題された。過去に出題された、コルビュジェのサヴォア邸、ミースのファンズワース邸をよく知っていれば、答が1であることが分かる。菊竹清訓のスカイハウスは、初めての出題。


 


●環境工学の分野(問題2~9)では、出題傾向に変化が見られた。色彩に関する問題が、単独では出題されず、代わりに、太陽高度に関する問題が初めて出題され、受験生を悩ませたと思われる。色彩に関しては、環境工学全般に関する問題の中のひとつの選択肢として出題されるのみであった。


 


問題2と問題3は過去に出題された内容で、問題2は1が、問題3は2が答となる。


問題4は計算式さえ覚えていれば容易。覚えていない人にとっては難問。答は2となる。


問題5も過去に出題されている内容だが、3と4は、かなり勉強していないと難しい。ガラスの分光透過率は、可視光線などの短波長域に比べて長波長域のほうが小さい。答は3。


問題6はよく出題される問題で、内側サッシの気密性を高くしたほうが、二重窓の結露防止に効果がある。答は3。


問題7は南中時の太陽高度に関する設問で、新傾向の問題。理科が得意な人であれば、1、2、3は正しいと分かる。4と5は知らないと解けない。答は4で、夏至の南中高度は80°程度にまで高くなるので不適当。参考書で日影曲線図をよく見ていた人は、分かったかもしれない。


問題8の答は3で、たびたび出題される多孔質材料の吸音率に関する設問である。高音域の方が吸音率が大きい。


問題9の答は2で、この明視の条件は過去に出題されたことがない。受験生にとっては難問であった。しっかり勉強していれば、他の「音の3要素」、「伝熱方法の3種類」、「色の3属性」、「温熱感覚の4要素」が正しいことから、消去法で答を導くことはできる。明視の条件としては、明るさ、大きさ、時間に加えて、対比(輝度の対比や色相の対比)がある。


 


●建築各論の分野(問題10~18)では、初出の用語などもあったが、基本がしっかりしていれば得点できる問題である。


 


問題10、11は基本的な問題で、答は5と3である。


問題12は、診療所の計画に関して、初めて見る内容が並んでいる。ただし、常識的にイスが玄関に対面していると居心地が悪いだろう、と想像できるので2が答と分かったのではないだろうか。


問題13は5が不適当で、15㎡ではシングルルームの面積である。


問題14の答は4で、対向式の方がコミュニケーションが密になる。対向式や並行式のデスクレイアウトは過去にも出題されているが、コミュニケーションに関する内容は初めての出題。仕事をしている状況を想像できれば分かったであろう。


問題15では用語の理解が求められた。新聞や雑誌を気軽に読む空間はブラウジングルームであるから、2が不適当。図書館の計画では基本的内容。だが、5の「BDS」が初出の用語で、惑わされたかもしれない。レンタルビデオショップなどで、店外にビデオを持ち出そうとすると磁気により警報が鳴るシステムがあるが、それを図書館で使用しているものがBDS。


問題16の答は1、問題17の答も1、問題18の答は4である。いずれも基本的な問題である。だが、問題17の文章は読解力が必要かもしれない。2の寄棟の記述を、方形の説明だと思ってしまうと間違えてしまう。住宅地計画の問題では、今までとは傾向が異なり、道路計画のみの内容となっていたが、落ち着いて考えれば分かる。モデュロールは、ル・コルビュジエが提案した基本寸法体系のことである。


 


●建築設備の分野(問題19~25)では、初出の用語などがあり、落ち着いて問題に取り組む必要がある。


 


問題19の用語に関する設問では、初めて「アスペクト比」が出題された。これは空調の空気の吹き出し口やダクトの断面形状が長方形の場合、その辺の長さの比のことをいう。この用語を見てしまうと動揺するが、過去に出題されている成績係数(COP)が5にあり、空調設備の冷凍機の効率を示すものが排水設備と結び付けられているので不適当であることが分かる。


問題20の答は5で、搬送エネルギーを低減することができるのは、風量を調整できる変風量方式である。


問題21の答は2である。吐水口空間がとれない衛星器具に、逆流防止のために設けるものはバキュームブレーカーである。自動空気抜き弁は、蒸気暖房などで配管内に発生する空気を抜くための装置である。


問題22はよく出題される設問。いわゆる「たけのこ配管」の禁止である。答は5。


問題23の答は4で、熱放射は白熱電球の方が多い。


問題24はよく出題される設問で、答は1である。定温式感知器は、ある温度に達すると作動する。温度上昇率により作動するのは差動式感知器である。


問題25では、初めて「給湯エネルギー消費係数(CEC/HW)」という用語が出題された。だが、過去に出題されているCECと同じことで、値が小さいほど省エネルギー効果がある。従って答は2となる。