一級建築士の試験制度の見直し

現在、建築士制度の見直しが進められています。


耐震偽装事件などを反省し、建築士の制度を厳しくしようとしています(以前のブログにも記事がありますので参照ください)。


>>建築士制度の見直し
>>建築士制度の見直し NO-2


いよいよ今年、法律(建築士法)が改正されます。


従って、新しい試験、学歴用件(学校のカリキュラや卒業条件など)、実務経験などは、平成21年度から適用されることになります。


これから専門学校などで建築を勉強しよう、と思っている人にとっては、学歴用件などに影響が及びます。


 


ということは・・・、平成20年度に入学すれば今までと同じですが、来年入学すると、厳しくなる制度が適用されてしまいます!


 


入学するなら、この4月からが最後のチャンス!


 


高校生は卒業年度を変えることができないので気の毒ですが、社会人の方で将来建築士の資格を取得したいとお考えの方は、今すぐ入学するのがお得です。


学歴用件などについては、現在の基準が適用されるからです。ただし、試験を受けるのは先のことですから、新しい制度の試験を受験しなければなりません。


 


では、試験はどのように変わるのでしょう。


 


昨年9月に、一級建築士試験の見直しの方向性が公表されました。


その発表内容を紹介しましょう。


 


現在の試験は、1次試験として学科試験が行なわれ、その合格者に対し、2次試験として設計製図の試験が行なわれています。


1次試験に合格すると、その年の2次試験が不合格でも、翌年は2次試験のみ受験すればよくなります。


ちなみに、平成19年度の合格率は、学科試験が11.3%、設計製図試験が49.4%で、両方合格して一級建築士の資格を取得できた人は、受験者全体の 8% です。


(最終合格者数には、2次試験のみ受験した者を含みます。)


 


新しい制度では、この2段階選抜 ―学科試験と設計製図試験― の方式に変更はありません。


ただし、内容が多くなります。


 


学科試験は、現在の4科目から5科目に増えます。


現在は、計画(環境・設備を含む)25問、法規25問、構造25問、施工25問の合計100問の問題を、合計6時間の試験時間で解答します。


新制度では、計画の科目でまとめていた環境・設備に関する問題を別の科目として独立させ、計画20問、環境・設備20問、法規30問、構造30問、施工25問とし、合計125問にしようと考えられています。


試験時間も30分~1時間程度延長となります。


 


設計製図の試験は、現行の試験と同様の設計課題の内容を基本としますが、周辺環境に配慮した計画、構造設計や設備設計に関する能力も試される内容が加えられます。


これに伴い試験時間は、現在の5時間30分から30分~1時間程度延長となります。


 


現在の試験でも、幅広く深い知識が要求されており、試験時間も長く、受験生にとって負担になっています。


この上さらに内容を増やし、試験時間も延長するとなると、受験生への負担は相当大きなものになるのではないかと危惧されます。


 


以上が、新しい一級建築士試験の概要です。


二級建築士については、まだその方向性が公表されていません。


一級建築士の状況から推測されることは、二級建築士といえども、難しくなることはあっても簡単になることはない、ということです。


現在の二級建築士の試験は、上記の一級建築士の試験とほぼ同じです。


形式は同じですが、設問内容が高度になります。


相違点としては、設計製図の試験時間が4時間30分であること、学科試験に合格すればその年を含めた連続3回設計製図試験を受験できること、などです。


学科試験の合格基準点も異なり、二級建築士試験では、60点(なおかつ各科目13点以上)ですが、一級建築士試験では、67点(なおかつ各科目13点以上)となっています。


 


二級建築士の合格率は、平成19年度の場合、学科試験が31.9%、設計製図試験は50.9%で、最終的な合格率は、19.7%でした(最終合格率には設計製図試験の2、3回目の受験生を含む)。


一級建築士と比較すれば易しいように見えますが、5人に1人しか受からない訳ですから、決して易しいとは言えないでしょう。


 


二級建築士の試験制度に関しても、いつ見直されるか分かりません。当面この問題については、目が離せません・・・。


読売理工医療福祉専門学校:建築系学科