建築設備とは(その1)
あらまし その1
建築物には,意匠・構造・設備の基本の要素がある。これらの要素を人体にたとえてみると,意匠とは皮膚や筋肉のようなものであり,構造は骨格,そして,設備とは内臓に当たる。建築物と人間のメカニズムは,たいへんよく似ていることが分かる。
『建物と人間』を,極めて素朴な見方で観察すると,
① 意匠では,建物の形・美しさ・内部を保護するために仕上げ材が使用され,内外装が施工されているのに対し,人の場合では筋肉・皮膚・髪がそれぞれ美しさとか内部保護の役割を果たしている。
② 構造では,建物の安全性,耐久性や空間の構成要素が,基礎・柱・梁・床・壁等であるのに対して,人の場合では骨格である。
③ 設備では,エネルギーの伝達・情報の伝達,循環機能として,電気・空調設備・給排水設備・ガス設備・計測機器等があるのに対して,人の場合は神経・血管等がこの役割を果たしている。判断力・機能のコントロール・情報の集中・エネルギーの交換・吸収,機能維持は,人の場合では頭脳や内臓にあたる。
建物のエネルギー源は,水・ガス・電気・油等であり,人の場合は飲食物である。このように,建築設備とは建物にはなくてはならないものであり、建物内で執務する人達を快適に過ごせる様にしている。