介護福祉士のキャリアアップ
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- 高度なスキルを証明する資格制度への取り組み
- 新たに創設される認定介護福祉士
- 在宅ケアを支えるケアマネージャー
- チームケアをリードする重要性
- 介護の道を目指すなら
- まとめ
介護の現場では、スキルに応じたキャリアアップができるよう改革が進んでいます。平等な物差しを作ることにより、優秀な人材が公平に評価される仕組みを作っているのです。ここでは、その一例として、介護福祉士のキャリアプランを見てみましょう。
高度なスキルを証明する資格制度への取り組み
就職してから一定の実務経験を経た後は、組織をまとめるリーダーとしてステップアップするのが一般的です。リーダーとして位置づけられると、トラブル回避、新人育成、スケジュール管理など、よりレベルの高い仕事を任されるようになっていきます。介護の仕事でも同じことが言えます。
これまで介護の現場では、組織の中でのステップアップを決定する、客観的な能力評価の仕組みがありませんでした。評価指標がないがゆえに、待遇格差が生じ、離職を選ぶ人がいたのも事実です。
この状況を深刻視した政府がはじめた取り組みが、キャリア段位制度です。まだ仮運用段階にある制度ですが、正式運用が始まればプロフェッショナルな人材の処遇改善が見込まれます。キャリアステップを支える環境整備が遅れていた福祉業界ですが、こうした制度によって光明が見え始めたのです。
新たに創設される認定介護福祉士
キャリア段位制度の施行に伴い、介護福祉士からのキャリアアップとして認定介護福祉士が創設されることになりました。国家資格である介護福祉士を取得後、一定の知識レベルと実務経験を積んだ人がこれに認定されます。実務経験の期間は7~8年、研修の時間は400時間から500時間を想定しています。
認定介護福祉士として現場で求められるのは、より専門性の高い知識や技術、チームリーダーとしての指導力など。介護福祉士よりもさらに高い知識や技術を要するため、給与もそれに見合った額が反映されることが予想されます。(2015年4月時点)
在宅ケアを支えるケアマネージャー
在宅ケアのプロを目指すなら、ケアマネージャー資格の取得を目指すのもいいでしょう。この資格を持っていると、介護保険の受給対象者に対してケアプランの作成ができます。家族の相談内容や、サービスを必要とする方の状態を総合的に判断して、計画に落としこむのが具体的な仕事です。
資格を受験するためには、まず福祉士として5年の実務経験を経る必要があります。その後、介護支援専門員実務研修受講試験に合格すると、実務研修を32時間以上受けることになり、これを修了することで認定されます。資格取得後の給与水準は、勤続年数によって変わるものの、30代は20万?30万が相場。業務内容の大変さに比べるとそこまで高くはないものの、社会的ニーズは高く、就職・再就職にも有利です。
チームケアをリードする重要性
介護の現場では、要介護者のケアをチームで行う体勢がスタンダードになっています。そのため、組織の一員として自覚を持った、思いやりある行動が不可欠です。しかし、個々に違った考えを持っている中では、どうしても意見の食い違いが生まれてしまうもの。そこで活躍するのがチームのリーダーです。
組織をリードする立場になったら、チームがバラバラになってしまうことがないよう、一つにまとめるのが重要な仕事の一つです。常に周りに気を配り、全員が同じ方向を向いて職務を全うできるよう、リードしていきましょう。
現在の日本では、高齢化が進む一方、介護の現場で働く人材が足りていない現状があります。その対策として、安心して長期キャリアを形成できる環境が少しずつ整ってきました。今後も、さらなる改善が見込まれています。
高齢者福祉の仕事は、ニーズもあり、安定感がある仕事です。人から感謝される仕事がしたいと考えている方は、介護のプロフェッショナルとしての道を検討してみてはいかがでしょうか。