介護福祉士とヘルパーの違い
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- 資格の違いについて
- 介護福祉士
- ホームヘルパー(訪問介護員)
- 仕事内容の違いについて
- 介護福祉士の重要性について
日本の高齢化はますます進行しており、2013年には65歳以上の方の割合が、人口全体の25.0%を超えたことが政府によって発表されました。このような状況に対応するため、福祉業界の需要がさらに高まっていくことが予想されています。
現在、介護の現場では、介護福祉士やホームヘルパー(訪問介護員)が活躍していますが、この2つの職業にはどういった違いがあるのでしょうか。今回は、その違いについて詳しくご紹介しましょう。
資格の違いについて
介護福祉士は「国家資格」、ホームヘルパーは「認定資格」であり、資格の違いによって、携わることのできる業務内容や待遇に差が生じますので、しっかりと確認しておきましょう。
介護福祉士
国家資格である介護福祉士を取得するには、2つのルートが考えられます。1つは、厚生労働省が定めた福祉の養成施設や専門学校を卒業する養成施設ルート。もう1つは、実務経験、もしくは福祉系高校を経て、国家試験を受験し合格するというルートです。
なお、養成施設ルートにおいても国家試験が義務付けられること(2022年度からを予定)、実務経験3年以上の人が実務者研修の修了を義務付けられること(2016年度からを予定)になるという改正が進められています(2015年3月現在)。
ホームヘルパー(訪問介護員)
ホームヘルパーとして活躍するためには、介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)を修了する必要があります。これは、合計130時間のカリキュラム、筆記による修了試験を受けることによって取得できます。
介護職員初任者研修は国家資格ではなく、厚生労働省認定の講習事業者が実施している資格です。このため、資格取得の難易度は、事業者によって多少差が出る可能性があるということを覚えておきましょう。
取得を検討している方は、自分の住んでいる地域での取得課程について確認してください。
また、上記2つの資格のステップアップとして、ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格取得を目指す方が多いようです。
ケアマネージャーの主な業務は、居宅介護支援事業所、介護保険施設などにおいて、要介護者のケアプランを作成し、ほかの介護サービス施設との調整を行うことです。
受験資格は、介護福祉士などの指定国家資格、または介護職員初任者研修などの指定認定資格を取得しており、介護業務や相談援助業務などに従事した期間が5年以上でなければいけません。
現在のところ、どちらの資格でもケアマネージャーの受験資格は得られますが、介護業界でキャリアアップを目指しているのであれば、より多くの知識や技術を習得できる介護福祉士の資格取得をおすすめします。また、平成27年2月12日に適用された改正により、介護職員初任者研修の資格だけでは受験できなくなったことにも注意が必要です(猶予期間として設けられている3年間は受験資格が得られます)。
仕事内容の違いについて
介護福祉士とホームヘルパーの基本的な仕事内容は、高齢者や障がい者など介護の必要な人に、食事や排せつ、入浴など生活に関するあらゆるサポートをすることです。?ただし、現場におけるポジションは、両者で異なる場合があります。介護福祉士は介護のスペシャリストとして、「ケアワーカー」と呼ばれる現場の責任者として、ほかのスタッフに指示や指導を行う立場を担うことができます。
一方、ホームヘルパーはケアワーカーから指示を受ける立場であり、実務の多くを担当することが多いようです。また、待遇の面にも差が出ます。介護福祉士の場合には、施設や企業から直接雇用されて正社員となることが一般的ですが、ホームヘルパーはパートタイムでの雇用も珍しくありません。
介護福祉士の重要性について
介護において、専門知識は非常に重要なものです。たとえば食事の場面ひとつとっても、ただ要介護者に食べさせれば良いというわけではありません。
介護者の座る位置から一口の大きさ、食事の内容、食べる速度、周囲の確認まで、さまざまなことに気を配らなくてはなりません。正しい知識を身につけて実践できなければ、重大なトラブルを招いてしまうこともあります。
介護福祉士は資格取得までの時間が長い分、ホームヘルパーに比べてより専門的な知識に長けていますので、雇用機会が増える可能性があるでしょう。
ホームヘルパーとして現場に従事している人の中にも、介護福祉士を目指して勉強している人も少なくないようです。介護福祉士とホームヘルパーは、資格や待遇、将来性などに差が出やすくなってきています。
今後、需要の高まることが予想される福祉業界で働きたいのであれば、介護に関する法令の変化にも注目しておくと良いでしょう。
また、介護の現場ではひとつのミスが大きな問題に発展してしまうことがあります。正しい知識や技術を身につけるために、独学ではなく専門学校や大学などの教育機関で学ぶことをおすすめします。