ストリップ

印刷機にかける直前の校正を「色校」といいます。


この時には、文字の修正は終わっていて、


色合いのみを見る・・・が原則なのですが、


そうは問屋が卸さないコトだってあるのです


 


そう・・・見つけてしまったのです


 


図版が微妙に間違っていたのです


 


この時、クライアントさんは気付いていませんでした。


なので、やり過ごすという選択肢もあります。


その代わり、明らかに未完成品が出来上がります。


 


迷った末、修正をすることにしました。


 


クライアントさんと、社長とに連絡をし、「修正してくれ!」と訴えました。


 


版が出来上がっているので、


色校の段階で、原稿そのものの修正をするのは大変です。


 


分かりやすく例えるなら、


場合によっては版画の版木そのものを変えることになるからです。


 


色の修正のみ・・・と言うのは、


色はインクの量で調整が出来るから可能なのです。


 


色校後の修正は、場合によっては別費用がかかります。


理由は、版そのものを変えないといけない可能性があるからです。


ご家庭のプリンターで出力する訳じゃないので、


書籍一冊分の版をおこすだけでも数日要する場合があります。


 


そんなに大変なこととは知らず、修正の指示を出してしまったのです


社長は怒りました(当然です


 


生きた心地がしないまま、時間だけが過ぎてゆきました。


 


思いっきりドアを開ける音がしました。社長が戻ったのです。


 


あ・・・あのう・・・


ストリップで大丈夫だって良かったね


ス・・・ストリップ


 


ストリップって、別にエッチな意味合いじゃなく、


修正箇所を空欄にして印刷して差し替える方法なんですって


知らないことってたくさんあるんだね~。


 


いや~ん、変なこと口に出さないでよかったわ~