トンボと余白率

仕事が立て込んでくると、手が空いている人が手伝います


それは制作会社でも一緒で、先輩が後輩の仕事を手伝うのも、


またその逆だって良くあることです


 


その時は、イラストの直しが多くて手一杯だったので、


組版(くみはん)*を先輩にお願いしていました。


数度目の校正(こうせい)*で、


校正紙(こうせいし)*を用意して貰ってクライアントさんのもとへ


 


ところで、このハコはなぁに?


・・・なんでしょうね・・・?


これ要らないわぁ~


 


クライアントさんの言うハコとは、


トンボ*の中に書かれたハコで、確かに目障りな感じがする。


それはそれで、会社に戻って先輩に聞いてみると・・・


 


あーあれね。素人サンのための枠さ~


あれ要らないそうです


要らないも何も、実際にはない線だよ


・・・じゃあ、何の線ですか?


・・・・・・カットしてみたらわかるよ


 


言われて定規をトンボにあててみると、総ての謎が解けました


ハコは出来上がり線だったのです


 


見本


左の絵の赤い線。


これがクライアントさんの言ったハコです。


色がついている原稿なら問題ありませんが、


余白が白(無地)の原稿の場合、


余白を見誤ってしまうことが良くあるのです。


 


内容に対しする余白の割合のことを、


余白率といいます。


校正紙はトンボが入る分、


紙全体の余白率は上がります。


もちろん実際の原稿の余白率とは異なります


 


 


このことを頭で理解していても、実際は見誤ってしまうものです


余白率を見誤ると、紙面の印象がまるっきり変わってしまいます。


ちなみに、余白率とは周りの余白だけの事をさすのではありません。


紙面全体の余白の割合をさすのでお間違いように


自分でレイアウトを考える時は、カットして確認しないと大変ってことで


けど・・・こんな失敗、新人さんぐらいしかしないんでしょうけどね


 


 


組版→文章や図版を印刷用に配置すること


校正→文章や図版の内容等が間違っていないか確認すること


校正紙→文章や図版が間違っていないか確認するための出力紙


トンボ→印刷物の基準線・断ち切り線