RGBとCMYK

基本的に、Photoshop*でレタッチ*を施す時、


描画モードはRGB*モードで行ないます。


ただ、印刷にする時はCMYK*モードに変換します。


 


さて・・・


 


変換して「あれれ」って思ったことはありませんか?


一番劇的に変化するのは青色の部分です。


鮮やかな青がくすんでしまうんですよね


 


これは、RGBで表現できる色域と比べて、


CMYKで表現できる色域が狭いからなのです。


その影響が如実に現れるのが青色系なのです。


 


Photoshopのカラーピッカー*の画面を出すと、


現在の色(RGB)と変換後の色(CMYK)に差が出る場合、


ささやかに警告がでます(写真参照)。


 


カラーピッカー


 


 


 


 


 


CMYKに変換すると、こんな色になるよという表示です。


自分で色を設定する時に、


ちょっと気をつけるとがっかりの度合いは減らせるかもしれません。


 


デジカメや写真だときれいに抜けるような青空なのになぜ


と思っていた人、表現できる範囲が違うのですよ。


一応、RGBで出力できる方法もあるらしいのですが、


とてもコストがかかるそうです。


知っておくと、困らないし困らせないことでした。


 


photoshop→Adobeが出しているフォトレタッチソフト


レタッチ→写真の修正や補正などを行いうこと


RGB→光の三原色(赤・緑・青)、モニタやテレビの色を表現している色


CMYK→シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの略、印刷インクの色


カラーピッカー→描画色・背景色のトコロをダブルクリックすると出てくる

ドット絵と解像度

ひとまわり前の猪年、その頃のCGってドット絵なイメージだった。


ドット絵って何?


手元にグラフ用紙はありますか??


そのマス、ひとつにつき1色だけ色を塗って下さい。


それで完成した絵がドット絵です。


 


世界で最初のCGは、“0”と“1”でかかれていました。


 


0    00000
00  0000000
000000000000
00  0000000
0    00000


 


こんな感じです。


つまり、オンとオフを並べて、絵っぽくした感じ。


それに色がついて、色に濃淡がついて・・・。


 


まぁまぁ、それはおいておいて・・・


 


解像度を考える時、この頃のドット絵が思い浮かぶのです。


一枚の絵に、どれだけ細かいマス目があるか?


マス目の大きさの基準がないとわからないので、


○×dpiって表現します。


Dot Per Inch(ドット パー インチ)の頭文字。


1インチ当たりに、点がいくつあるか?!これが解像度。


 


ちなみに、Web用なら72dpi、印刷用なら350dpiっていわれています。


何が違うかっていうと、


このマス目の大きさを同じにした時の絵の大きさが違います。


同じサイズの絵を、72dpiと350dpiで比べると・・・


簡単にできるのは、両方をJPEGとかにしてブラウザソフトで開いてみて下さい。


350dpiの方が、バーンと大きく表示されます。


なんでか?ドットのマス目の大きさが72dpiの大きさになったから。


百聞は一見に如かず。お試しあれ~。

綺麗な文字

実はレタリング検定*4級という資格(?)を持っています。


当時の先生が、この検定試験を主催している会の会員だったので、


授業の中でこの検定について紹介されました。


 


レタリングとは、文字を描く技術…とでも言うのでしょうか?


はじめに骨格にあたる文字を書いて、それに肉付けしていくのですが、


肉付けの仕方によってゴシック体明朝体に成長(?)します。


この二種類は基本的な書体になるのかなぁ?


真っ先に習いましたし、課題もゴシックと明朝でしたね~。


 


正方形を書いて、それに文字を書いて肉付けしていくのですが、


今でもマスに収まるような文字を書いています


 


要領は、小学校の「かきかた」と同じです。


升目に十字をうっすら書いて、それに収まるように書くのですが、


骨格にあたる部分は人間の手で書く訳ですからそこに個性が出ます。


一応のキマリゴトはあるけど、細かいところは個人の技量です。


 


ゴシック体の場合は、骨格を中心に均等に肉付けします。


角や払いも、ほぼ均等に肉付けします。


 


明朝体の場合は、横線と縦線で太さも違うし、


とめはらいの表現には、一応のキマリゴトがあります。


文字の形は、筆文字っぽく格好をつけてみましたって感じの書体です。


 


レタリング検定の実技試験は、その場で文字を書くのですが、


1級の実技試験になると、商品ロゴや企業ロゴみたいなのをその場で描きます。


(私が受験したときに、同時に1級・2級の試験が行なわれていたんですよ)


実技試験は、当然手描きです


文字の線(塗り)と空間(余白)とのバランスが、文字の美しさを左右します。


けど、そのバランスこそが描く人の個性なんですよ~


 


たかが文字、されど文字、文字がないと世の中成り立ちません!


そんな訳で、文字の形にも、ちょっと注目してみて下さい。


微妙に違ったりして、個性があるんですよ~~。


 


レタリング検定→(財)実務技能検定協会の主催する検定試験


 


 

レジストレーション

最近、本当に最近気がついたことがあります。


 


マスコミ制作学科の発行する小冊子「マスコミリン」の、


制作をしている時に、ちょっと間がさしてあることをやってみたのです。


C=100, M=100, Y=100, K=0 という設定の黒*。


これが、真っ黒じゃなかったのです


なんだか、ほの赤みがかっているのですよ


 


う~ん、う~ん、う~ん・・・


それでは、理屈と違うじゃないですか


 


ただ、ココでひとつ思い出したことがあるのですが、


絵の具の場合、混色すれば無限に色は作れるけど、


既に作られた色の鮮やかさには決して敵うことはない。


そういうことなのでしょうか??


 


印刷物は、網点*というのを使って、


色別の版を重ねて印刷する*ことでフルカラーを表現してます。


特別にこの色!という時に特色*というカタチでその色を作る場合を除いて、


色は目の錯覚を利用して表現しています。


 


印象派の画家、スーラーの点描画法と似ているかな?


 


だから、混色した黒とそのままの黒では、


アプリケーション上でも違いが出てくるのかな~と思った今日この頃。


 


ちなみに、K=100に色を加えた黒をリッチブラックと言ったりもします


それから、トンボに使う色は、C=100,M=100,Y=100,K=100


こうしないと、版を作ったときに基準線*が消えてしまいますからね。


この色をレジストレーションといいます。


トンボの黒は、ただの黒ではないのです


 


そんな訳で印刷の「黒」って奥が深いのです。


印刷物の黒、ちょっと注目して下さいね


 


C=100, …設定の黒→加法混色になるので理論上は「黒」になると言う意味


網点→アミテン 各色の版の色の濃淡は、網点の緻密度に影響


色別の版を…→フルカラー印刷の場合、4色分の版が必要


特色→CMYK以外の色。印刷の際、4色+特色の色数の版が必要になる


基準線→製版・印刷・断裁の時に必要な線。トンボ。


 


>>マスコミリンは体験入学でゲット!


>>マスコミ制作学科って何する学科?

OSサファリパーク

ジャガー・パンサー・タイガー・・・


さて、これらに共通するものは何でしょう


 


恥ずかしい話、私は最近まで知りませんでした


 


こんど、レオパードも仲間入りするそうです


 


わかりました?わかりました??


 


実はこれって、OS?*のバージョンの通称なのです。


 


この言葉との出会いは制作会社にいた頃なのです。


 


○月×日にタイガーが入るから、自分のデータは整理しておいてね。


はーい


(??会社でペットでも飼うのかな?)


 


それでやってきたのは、MacG5だったのです。


(あートラ模様*のMacってコトね)


 


そんなコトがあったのを忘れた頃に・・・


 


…Macってなんか憎めないんですよね~


自由自在にカスタマイズできるからですか?


デザインもかわいいし、なんか遊び心にあふれていて…


あーそれは解るかもしれないですね~


だって、OSにあだ名があるんですよ~


Σ(・ω・ノ)ノ


 


正体は、OS?の各バージョンの通称だったんです


会社がサファリパークになってしまうと不安になりました


あなたバカでしょそんなことも知らなかったなんて…


 


現場では当たり前の言葉でも、外の人間にはチンプンカンプン。


聞くのは一瞬の恥です。でも知らないのは…


あ!でも同じコトは2度聞いちゃダメですよ


 


OS ?→MachintoshのOS 印刷業界ではMacのシェアが大きい


トラ模様→光の加減でそう見えただけで、実際には存在しません。


 


ちなみに・・・


ジャガー → 10.2


パンサー → 10.3.9


タイガー → 10.4


レオパード → 10.5


 

紙の話

印刷について知る上で、紙の話は欠かせません。


日本の紙・・・といえば和紙です。


諸外国の紙は、厚手で脆いけど、和紙は繊細で丈夫です。


 


紙の材料は、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)といった植物。


これらの繊維だけを取り出して、細かく砕いて水に浸し、


それにトロロアオイを加えて攪拌(かくはん)して準備完了


 


西洋に多く見られる紙は「タメスキ」といって、


枠に攪拌した水を流し込むだけといった簡単な方法。


とはいえ、紙の厚さが均等になるようにしないといけないから、


流し込み方によっては、漉きむらができてしまう


水分がある程度流れきったのを見計らって、


紙を板に移したら、後は乾くのを待つだけ・・・で完成。


 


日本の和紙は「ナガシスキ」といって、


枠を攪拌した水の中につけて掬い上げたら、


枠を水面ぎりぎりに保ちながら前後に動かす。


すると、枠の中で紙の繊維が絡み合い、平たくなっていく。


水につけては枠を揺らす・・・これを繰り返して欲しい厚さの紙にする。


漉きあがったら、そのまま板に移して乾かす。


 


西洋の紙は乾かすとき重ねられないけど、和紙は重ねて乾かす。


 


作り方を見て解る通り、西洋の紙の方が材料が多く必要になる。


日本は、紙の材料が豊富ではなかったから、


少ない材料で多くの紙を得るために「ナガシスキ」を考え出した。


 


繊維が絡んでいるから、重ねて乾かしても乾けば1枚ずつ取り出せる。


実家で縦長の和紙があったけど、


確かに薄くて繊細で、軽くくっついてて、


ぺりぺりはがすと、しなやかなで薄い和紙が取り出せた。


 


浮世絵(錦絵)は、色の数だけ木の板を用意して重ね刷りしたもの。


印刷で言うところの凸版印刷・多色刷り。難しそうで身近でしょ?


 


普段使う紙は機械で漉いたものだけど、紙を漉く原理は一緒。


目的や用途によって、使う紙も変われば印刷の方法も変わる。


 


その印刷は


じっくり読ませるためのものなのか?


何かをお知らせするものなのか?


記録として残しておくものなのか?


 


それによって紙も変わる。


色がついた紙、透かしが入っている紙、つやつやした紙、


頑丈な紙、手で簡単に裂ける紙・・・いろいろ。


 


新聞紙が明らかに上質でない理由は、


新聞は1日経てば古新聞、その日限りのものだから。


でもそれだけではない。


情報がいっぱいつめるためには、文字の数が増えてしまう。


文字が多いと、真っ白な紙だと目が疲れてしまう。


だから、ねずみ色の丈夫な紙に印刷されている。


 


文庫本や、新書本や、上製本も、


文章を読む本の紙は、決して真っ白な紙じゃない。


 


今度本屋さんに行ったら、紙にもちょっと注目してみて下さい。


 


紙と文字と技術のコラボレーション、それが印刷物なのです


 


>>そんな素敵なものを作る勉強はマスコミ制作学科で


>>体験入学ではミニ冊子作ります


>>体験入学のメニューと日程は?

日本新聞博物館に行こう!

この秋、スペシャル体験入学と称しまして、学外の体験入学を企画いたしました


マスコミ制作学科では、横浜にある「日本新聞博物館」の見学会を行ないます


 


先日、下見に行ってきたんですけど、思ったより楽しめました


その当時の新聞を見ることができるので、思わぬ発見があったりします。


 


例えば・・・


日本語はもともと縦書きの文化なので、上から下、右から左に文章を読みます。


新聞の見出しも、横書きなのに右から読むのです。


・・・で、ある時点から左から読むように変化しているんです。


ちょっと不思議な感じがしますよ


 


実際に使っていた印刷機や、


取材した記事や写真を送る機械なども展示してあって、


新聞が手元に届くまで、驚くほど多くの行程を経ていることが分かるので、


新聞を見る目がちょっと変わります


 


なにより、当時の記事をついつい読んじゃうから、


気がついたら予想より長い時間滞在してしまいました


一人で行くよりは、数人で行った方が断然楽しめる博物館です


 


11月18日に、見学会を行ないます。


「日本新聞博物館」是非一緒に見に行きましょう


 


>>日本新聞博物館について


>>スペシャル体験入学について

エコテストって・・・

エコテストって、エコロジーにまつわるテストだと思っていたら、


ドイツの雑誌名だったんですねてっきりそういう試験かと思ってしまいました


今年度の学園祭のテーマは「エコ」ってことで、


のぞきに行ったのですが新しい発見です


 


「エコテスト」とは編集部で、ある商品の成分を徹底的に調査して、


人体や環境に影響が無いかでランクをつけて発表するという内容。


他にも、環境などについての記事も掲載されていますが、


このテストが国の基準より厳しいそうで、企業からの反発もすごいようです。


 


ドイツって、知る人ぞ知るエコロジー先進国なんですよ


 


とはいえ、調査は外部の機関に完全委託しているので、


費用は大変なようで、サイトや雑誌上で寄付を求めているそうです。


 


う~ん、ちょっと読んでみたい


 


マスコミ制作学科では、特に屋台とか出しませんが、


学園祭へお越の際は、マイマグカップをご持参下さい


温かい麦茶のサービスを予定しています。


(レンタルマグカップも用意する予定です)


 


>>「エコテスト」についての記事


>>ヨミウリンクフェスティバル(学園祭)について


>>マスコミ制作学科について


 


 


 


 

ページ数の意味

担当していた機関誌*で、年に2回、全文の掲載があった。


どんなに長い原稿も、逆に短い原稿も、見開き2ページに収める。


その中に、どうしようもない長い原稿があった。


文字のフォントを小さくしても、長体*をかけても収まらない。


それで、編集者に掛け合って、連番のレポートは、


それぞれ3ページにして偶数ページにする・・・ってことで落ち着いた。


 


なので、平気だと思ってもう一点長い原稿を3ページで組み版*してしまった。


 


これが大問題になってしまった。


結果的に、1ページツジツマ合わせのページを増やすことになった。


なので、変則的なページ数になった。


 


書籍は基本的に16の倍数*ページになっている。


これには意味があって、印刷効率を上げる意味合いもあるけど、


製本したときの強度*に違いが出るという話。


クライアントさんと印刷業者さんの会話で知った事実。


 


制作の部分しか知らなかった私は、


ページ数が決まっていること以上の意味があることに驚いていた。


出版についての知識は全く無いままに入社し、


仕事をしながらいろんなルールを覚えていけば良いと、


それで横柄に構えていた部分もあったかも知れない。


 


クライアントさんは、


自分と同等かそれ以上の知識を持っているという前提で話す。


だから、一通りは知っておかないと余計な失敗をしてしまう。


 


今は、いろんなハウトゥ本*が出ているけど、使いこなせる人はいるのかな?


できる気になってしまってはいないか?私もそんな一人だったから。


 


学校とは、生きた学習ができる場所、マスコミ制作学科でできること。


 


機関紙→ある特定の団体向けに出版する雑誌


長体→フォントの縦横比を変えること


16の倍数→一回の印刷でできるページの最大数(1台)


製本したときの強度
 →本を綴た後に圧力をかけて糊を定着させ、形が崩れにくくなる度合い


ハウトゥ本→手引書の通称「How to ~」に由来?

印刷物の表情

たとえば「京都」についての本だけでもたくさんある。


「京都」の旅行の本なのか?


「京都」の食べ歩きの本なのか?


「京都」の歴史の本なのか?


「京都」の七不思議の本なのか?


 


また・・・


 


「京都」の「旅行」の中でも、


紅葉を楽しむものか?芸術を楽しむものなのか?観光を楽しむものなのか?


「京都」の「食べ歩き」の中でも、


スイーツなのか?精進料理なのか?フランス料理なのか?


「京都」の「歴史」の中でも、


平安時代なのか?文化なのか?寺社仏閣なのか?


「京都」の「七不思議」の中でも、


都市伝説なのか?歴史に絡むものなのか?極めて現代のものなのか?


 


切り口を変えるだけで、


雰囲気も変わってしまう、対象も変わってしまう。


 


対象が変わると、


写真も変わる、絵も変わる、文章も文体も変わる。


 


そしてまた、それをデザインする人のセンスで、


レイアウトが変わる、丁装が変わる、カタチが変わる。


 


そしてこれは、見方を変えれば「表情」といえるのではなかろうか?


印刷物の表情は、それを作る人に委ねられる。


そしてそれが「特徴」になっていたりするのだろうか?


 


同じもの、同じ写真、同じ文章を使っても、


それをデザインする人によって、できあがる物は変わる。


そしてそれぞれ、上手・下手、稚拙・達者、単純・難解、


あるかもしれないけど、それぞれにその人の表情がにじみ出る。


 


ただ並べるだけなら誰でもできる・・・本当に?


ただ並べるだけ、されど並べるだけ、ここに並べるだけ。


でも、表情が出る。


 


几帳面か、いい加減か、良い加減か。


 


それが印刷物の表情となって、人の目を楽しませる。


モノを作る人間にとっては、それを見て楽しむ人を思うことも、


原動力のひとつになるのかもしれない。


 


だから、ご飯を食べることも、眠ることも忘れてしまう人が多い。


だって、モノを作ることは「遊び」と同じだけ、エキサイティングなことだから。