責任の行方

臨時でデザイン事務所でバイトしていた頃、


出来上がり原稿を確認して出力見本とデータを送るのに立ち会った。


・・・というよりは、その日がたまたま納品日だっただけなんだけど。


 


それは、海外の出版物の原稿。


普段見慣れない文字列はちょっと新鮮でした


 


それからしばらくして出勤してみると、


事務所の人がばたばたしていました。


電話を握る姿からも、ただならぬ雰囲気が感じられます。


何事か聞いてみたら・・・クレーム


出版されてから誤字が見つかったのです。


データにも、出力見本にも誤字はありません。


つまり、データのやり取りによるもの。


 


ごくごくたまに、データのやり取りで文字化けしちゃうことがあるのですが、


このケースはとっても稀・・・なんだろうなぁ・・・。


 


こちら側には落ち度が無くても、実際に刷られたものが間違っていたら、


それはそれで責任問題。ずいぶん揉めました。


 


結局、こちら側で責任を取ったのかなぁ?


 


ほんの些細なことで、データって崩れちゃうんだな・・・なんて。


 


たまに、海外からで買ったCDやDVDが聞いたり見たりできなかったって話、


ちょこっとだけ聞いたことあるけど、これと同じなのかもしれない。


 


海を大きく越えると、人間同士のコミュニケーションは難しい。


同じ言語を使っているのではなく、別の言語・文化なら尚更。


そして、それは機械でも同じことが言えるのかなぁ・・・なんて思ってみたり。


 


いろいろ難しいなぁ・・・。


 


異文化交流、簡単だったらつまらないよね

テレアポ的確認電話

新人さんや、アルバイトさんの仕事って、


きれいで楽しくて効率いいものってあんまりありません


面倒で厄介な仕事が基本です。


 


そんなのヤダ~~なんて言っても、始まらないのよ世の中は


 


制作会社じゃないけど、


新人さんに半年は雑用以外の仕事は与えないそうです


 


え?なんで??


いつ何言われてもすぐ動けるように「待機」するのも仕事だから。


それって、放置プレイの言い訳じゃないの?


動くコトだけが仕事じゃないのよこれだから素人は困るわ。


 


・・・内容から逸れてしまった・・・


 


そうそうそれで、渡されたのはお店や施設のリスト。


△△に載せる施設のリストだけど、内容があっているか確認して。


(どっさりある紙を両手で握って)どうやって?


はい(って指差された先には、電話しかないデスク)


・・・まぢかよ・・・(ココロのつぶやき)


 


こうなったらやるしかないので、ひたすら電話しまくりです。


はい、こちら○×です。


私、というものですが、この度△△の出版に伴いまして・・・


 


最初たどたどしかったのが、慣れてくるとこんな感じ。


もしもし、私ですが、ご住所の確認をしたいのですが・・・


 


日が傾きかけたところ、とりあえず一通り確認は終わっていました。


 


お疲れ様、なんだかすごい勢いでやっちゃったね


はいがんばりました


 


それで次の日、声をからした勢いで風邪っぴきに


 


 


・・・過ぎたるは及ばざるが如し??


 

ストリップ

印刷機にかける直前の校正を「色校」といいます。


この時には、文字の修正は終わっていて、


色合いのみを見る・・・が原則なのですが、


そうは問屋が卸さないコトだってあるのです


 


そう・・・見つけてしまったのです


 


図版が微妙に間違っていたのです


 


この時、クライアントさんは気付いていませんでした。


なので、やり過ごすという選択肢もあります。


その代わり、明らかに未完成品が出来上がります。


 


迷った末、修正をすることにしました。


 


クライアントさんと、社長とに連絡をし、「修正してくれ!」と訴えました。


 


版が出来上がっているので、


色校の段階で、原稿そのものの修正をするのは大変です。


 


分かりやすく例えるなら、


場合によっては版画の版木そのものを変えることになるからです。


 


色の修正のみ・・・と言うのは、


色はインクの量で調整が出来るから可能なのです。


 


色校後の修正は、場合によっては別費用がかかります。


理由は、版そのものを変えないといけない可能性があるからです。


ご家庭のプリンターで出力する訳じゃないので、


書籍一冊分の版をおこすだけでも数日要する場合があります。


 


そんなに大変なこととは知らず、修正の指示を出してしまったのです


社長は怒りました(当然です


 


生きた心地がしないまま、時間だけが過ぎてゆきました。


 


思いっきりドアを開ける音がしました。社長が戻ったのです。


 


あ・・・あのう・・・


ストリップで大丈夫だって良かったね


ス・・・ストリップ


 


ストリップって、別にエッチな意味合いじゃなく、


修正箇所を空欄にして印刷して差し替える方法なんですって


知らないことってたくさんあるんだね~。


 


いや~ん、変なこと口に出さないでよかったわ~

TM

TMって、タイピング* オブ マスター の略です。


・・・ごめんなさい、今、思いつきました


 


代理で原稿をワープロ*で打つこともあったので、


手が空いている時は、タイピングの練習をするように言われていました。


その時は、ワープロについていたタイピングゲームで、


ひたすら架空世界をドライブしていました


 


出てくる単語を入力して、快適にドライブをする・・・というゲームでした。


 


タイピングって、必要ない感じがしますけど、


やっぱり早く打てることに越したことは無いのです。


加えて、聞きながら文章を起こすとなれば、


いちいちキーボード*で確認しながらなんてやっていたら、


埒はあかないしってな訳で、


キーボードとは、日ごろから親交を深めておく必要があるのです


 


言い訳じゃないよ遊んでいる訳じゃないんだから


 


タイピング→文字を入力すること。


ワープロ→ワードプロセッサーの略。ワードだけのパソコンみたいなの。


キーボード→製品ごとに癖があったり、配列が違ったりするらしい。


 

ゴースト・・・?

雑誌に掲載するための記事を預かりました


・・・が、割り当てられたページ数に対して明らかに少ない


 


どうしたら良いの??教えて編集長~~~


あぁ、適当に増やしても良いよ


え?でもこれって・・・


どう料理しようが任せるよ


えぇ~~ドンダケェ~~


 


それで、文章を増やすため・・・というよりは、


内容を補うためにいろいろ調べまくりです


他人様から預かったモノに手を加えるなんて・・・


何がどぉって、良心の呵責に悩まされたのですよ


 


だって・・・タニンノフンドシ感満載じゃないですか


 


そんなこんなのある日、打ち合わせでの会話が耳に入ったのです。


先日、著者から原稿を預かりまして目を通しました。


そう?それで本にはなりそうなの?


ゴースト*を入れないと、このままでは本にはなりませんね


そんなにひどいの


まぁ、そのまま本に出来る原稿なんてありはしませんよ


 


・・・文章に手を加えるのは日常茶飯事だったなんて・・・


 


ちなみに、掲載用の記事を持ってきたのはライター*のタマゴさん。


お互いに修行の身だったってことで


 


けど、調べモノって案外はまっちゃうのよふふん


 


ゴースト→著者とは別に文章を作ったり手を加えたりするコト(をする人)


ライター→取材をして記事(文章)を作る人

ぞっとする話

まだまだ汗ばむ夏の日に送るぞっとする話


 


クライアントさんが、急ぎで欲しいという事で、


ちょうど夏の始まりから真っ只中になる頃、


毎日缶詰*になって書籍の制作に追われていました。


多目の発注があって、先方の希望する納品日まで日にちが無く、


急ピッチで制作が進められました。


 


その頃のスケジュールは、


打ち合わせ→制作&手直し→打ち合わせ・・・の無限ループ


クライアントさんと会社を2度3度往復することもしばしば


 


それで無事に入稿を済ませて、ほっとして納品日を待っていました


 


納品されたら、指定部数をすぐにクライアントさんに届ける手筈に。


 


が・・・しかし


 


確認してみると、きれいに1頁ずれている


いわゆる「乱丁*」です


 


その後、上司の許可を得て放浪の旅(数時間)に出させて頂きました


 


その後の展開?あせっちゃダメココロの傷が癒えるまで待って


 


缶詰→社用以外(帰宅も含む)で外出しないことの通称


乱丁→本の不良。傷み破れなど書籍として、商品価値の無い状態。

60分1本勝負・・・?

体験入学、なにやるの?


 


そう、今までこちらのブログで、


画像付きでご紹介したことが無かったんですよね


なので、チョコっと紹介


お月見


 


こちらの画像は、


体験入学で制作する作品です。


イラストレーター*で制作します。


出来上がったら、印刷してお渡しします。


絵心無くても描けるんです


 


実は、こちらはリクエストメニューなのです


体験に参加して頂くと、参加する毎に先生方とも仲良くなるし、


なにより知識や技術が、初心者よりもちょっと増えてきます。


レベル0→レベル1くらいの範囲ですけど


 


そうすると、こんなこと出来ないかのリクエストがあったり。


 


今回は、「イラストレーターをどっぷり使いたい」とのリクエストだったので、


イラストレーターでの簡単イラスト制作を実施いたしました


 


ちょっと楽しい内容を毎回考えていますので、


観光ついでに遊びに来てくださいな


 


体験入学についてはこちらで確認


http://www.yomiuririkou.ac.jp/experience/index.html


 


ちょっと~なんでウサギなのさプンプン


 


イラストレーター→制作現場で必須の画像系ソフトのひとつ

ケチつけます

あはは、さんこれ違う~やり直し!


 


原稿は、データとは限りません


出力したものであればまだ良いのですが


手書きの解読不能に遥かに近い原稿も


 


こうなったら、古文書研究にさも似たり


前後の文章から判断したりで、


それらしい文字からそれらしい言葉を導き出します


 


とはいえね、なかなかどうして入力の際に、


細かいところを間違えちゃったりもするわけです。


その間違いが無いか、


クライアントさんに渡す前に確認することを社内校といいます。


ここで手を抜いてしまうと、信用をなくしてしまいます。


結構慎重にやるのですが、思い込みって怖いもので、


「なんで?」というような見逃しもあったりします


 


怖い怖い・・・


 


だから修正箇所が見つかったときは、


「ラッキー」と思うようにしていました。


 


それでも見逃してしまう時があるのよね。やっぱり節穴かしら

なんちゃって夏休み

本校も夏休みがあけまして・・・ゆるゆると業務が再開しています。


 


制作会社の夏休みもさまざまで、


表立っては「○日~×日まで夏季休業と・・・」と、


方々にお知らせするのですが、


電話に邪魔されず、のびのび仕事ができるから・・・


との理由で出勤する人も結構います。


 


・・・本当に、夏休みしている会社も勿論ありますけど・・・


 


とはいえ、それを知ってか知らないでか電話が鳴ったり


この場合、その電話に出るかで無いかは自由なのですが、


出てしまえば出勤がばれるし、


出なければ重要な用件を聞き逃すことにもなりかねないし


 


り~んり~ん


むむっどうしよう(と、心でつぶやきながらを見つめる)


り~んり~ん


出るべきか・・・出ざるべきか・・・


り~んり~ん


あぁ、でもやっぱり出るべきよね(と思ってに手を伸ばすと・・・)


ただいま留守にしております。発信音の後に・・・


休みなんだから出なくていいよ。


・・・早く言えよ・・・(と、心の中で悪態をつきながらをみる)


 


 


「お休み」なのに電話してくるのは営業さんぐらいなんだって


 


 

カタログ写真

商品カタログを作成したときのお話


 


某治療器具の商品カタログの撮影に立ち合わせて頂きました。


とはいえ、商品が大きくて高価なことと、


予算の都合でスタジオではなく、社内の一角での撮影。


 


この時もそうだったのだが、


撮影ってある日突然やってきたりすることもあったりで・・・


 


この日は、上司の思い付きみたいなもので、


「どうせパンフレットの作成はさんがやるんだから・・・」


と、当日になって連れて行かれたのでした。


 


カメラマンと、モデルさんと合流して、商品の待つ会社へ


 


商品写真は、切り抜いてしか使わないので、


なるだけ壁だけの状態を作って撮影。


 


モデルさんも、慣れたもので次々と笑顔でポーズを作ってくれる。


 


こちら側の説明が足りなかったみたいで、


治療器具って感じにはならなかったけど・・・まぁまぁ・・・


 


後日、撮影データを受け取って作成していたら・・・欲しい形が無い!


やってしまいました・・・


色を変えたり、合成したりでそれらしい写真に加工しましたけど


 


このときの上司は、ラフを描いて綿密に打ち合わせて・・・


というタイプではなかったので、まさしくフィーリングとヒラメキ


私も、この時は特に深く考えないで指示出しをしていたので、


ちょっぴり困ったチャンな事態が起きてしまいました


 


結果的には、クライアントさんからは喜んでいただけましたけどね


 


終わりよければすべて良し?