電気工事業という仕事

電気工事士の仕事と言えば電気工事です。
しかし、電気工事「業」を営むことが認められている組織の一員にならなければ、電気工事をすることはできません。
これは、電気工事が社会にとって、安全、安心なものとして適正に行われることを目的としています。

「電気工事士法」
電気工事士法は、電気工事士の資格や義務が明示され、電気工事による災害を防ぐことを目的としています。
電気工事士が取扱う電気設備は「電気工作物」と呼ばれ、電気事業の運営を定める「電気事業法」と関連があります。

「電気工事業法」
正式な名前は「電気工事業の業務の適性化に関する法律」と言います。
この法律は、電気工事業者の登録などと、業務の規制について書かれており、電気工作物の保安の確保を目的としています。

「建設業法」
現在、建設工事は28種類あります。電気工事も建設業のひとつです。
建設業法では、建設業者の資質の向上や、建設工事の適正な施工について定められ、建設業に関係する発注者や下請負業者の保護も目的としています。

電気工事の仕事に就くためには、災害事故を起こさずに電気工事ができるだけではなく、社会で暮らす人々が電気を安心して使うことができる設備を作り、お客様や一緒に働く仲間と一緒に業界を発展させることが大切とされています。

だから、電気工事屋さんの入口には「電気工事業」に関する掲示が2枚あります。
① 登録電気工事業者登録票 (電気工事業法に基づく)
② 建設業の許可票 (建設業法に基づく)

こういった法律や、工事屋さんの入口にある掲示の話だけでは「電気工事業」をイメージするのは難しいと思います。
しかし、社会で暮らす人々が何も気にすることなく、当たり前に電気を使えることを支えているのが「電気工事業」という仕事であることが分かってもらえれば嬉しいです。

電気工事のオリンピック

7月27日、イギリスで第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)が開幕しました。
連日、ロンドンから日本選手団の活躍が報じられています。

電気系国家資格として「電気工事士」があり、毎年多くの方が受験をしています。
資格が有名な一方で、知る人ぞ知るのが「電気工事のオリンピック」です。

「技能五輪」と呼ばれている、この職業に関するオリンピックは、競技種目が電気工事の他にもあり、50弱の職種で各国の代表が磨いた技を競いあっています。
第41回技能五輪国際大会日本選手団の成績について (厚生労働省のWEBサイトへリンク)

厚生労働省のWEBサイトにもあるとおり、昨年10月には第41回技能五輪国際大会がイギリス(ロンドン)で開催されました。
日本選手団は、39種目に参加して11種目で金メダルを勝ち取ることができました。
「ものづくり」のパワーが衰えていると感じられる日本ですが、この「技能五輪」は参加資格が22歳以下という条件もあり、まだまだ日本の若者たちも捨てたものではないという嬉しい思いを抱いています。