未来を築く電気技術者、技能者が卒業

 平成25年3月18日、電気電子学科2年生全員が卒業しました。

などと書くと堅苦しいので、2年間担当した教員にとっては
「2年間で最後の最後まで頑張って全員卒業してくれました」
というのが正直な感想かもしれません。

 今回の卒業生は2011年(平成23年)3月11日(金)に発生した「東日本大震災」の直後に入学した学生たちです。
東北出身で被災・転居せざるを得なかった家庭の学生もいました。その学生は2年間、アルバイトを夜更けまで頑張って学費と生活費を稼ぎ、途中でくじけそうになったこともありましたが学業を全うしてくれました。

 2年間朝夕、読売新聞の配達をしながら頑張り続け、よみうりホールの卒業式で奨学生後援会賞総代となった卒業生もいました。先ほどのアルバイトを夜更けまで頑張った学生が睡魔に耐えられず眠りについた頃、彼は夏の暑さにも、冬の寒さにも耐えながら新聞を配達し、朝刊の配達後に毎朝9時には登校し、14時30分の授業終了後は夕刊配達に間に合うように下校する生活を毎日続けたのです。
その上、昨年11月に実施された「2級電気工事施工管理技術検定(学科のみ受験)」にも合格。所定の実務経験後無試験で、第二種および第三種電気主任技術者免状交付に必要とされる科目も全て修めて卒業しました。

 2年間毎日往復5時間近くの時間をかけて、北関東の自宅から通ってくれた学生もいました。

 語りはじめたら尽きないくらいの「思い出」を一杯いただけたことを、卒業生の皆さんに心から感謝をしたいと思います。

 本当にみんなよく頑張った!!
 おめでとう!!
 そして ありがとう!!

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卒業生の皆さんに渡された、読売理工専校友会(同窓会組織)からの記念品、卒業アルバムと卒業証書です。

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卒業証書(左)と第二種電気工事士養成施設修了証明書(右)です。

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電気工事士法第四条第四項第二号に規定する養成施設の修了証明書です。
電気電子学科2年間で学ぶ必修科目として、「経済産業省令で定める第二種電気工事士たるに必要な知識及び技能に関する課程」が含まれています。
そのためこの証明書を添えて、「卒業と同時に無試験で」免状交付申請ができますが、これは卒業までの2年間合計8回の定期試験(前期中間、前期期末、後期中間、後期期末)全てに合格した証明書でもあります。
(免状交付申請が受理された後、別途提出する修了者名簿との照合等が行われ、申請から数週間後に免状が交付されるようです。)

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2年間合計8回の定期試験に合格し、卒業した学生たちです。

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第二種電気工事士の能力が国家から認められた卒業生と教員の日常の様子。
同年代と何も変わらない普通の若者たちです。

2年間で電気の専門知識を学んで社会に出た若者たち。
専門知識だけではなく、社会で生きるために必要なことを、どれくらい伝えられたかはわかりません。
学校からも国家からも認められたことに自信を持って、これからの人生を歩んでいかれることを願っています。

1年生の電気工事実習 ~金属管工事最終課題~

 10月下旬から始まった金属管工事の実習も、冬休み明けには工事実習教室の既設電線管を利用し、実際の施工現場に近い環境で2グループに別れて作業が錯綜するような状況で行います。

 机上の金属管工事の技能だけではなく、声を掛け合い、呼び線そうにゅう器(スチールワイヤ)を上手に使用できなければ進まない実習課題を行っています。

 それでは、それぞれのグループの様子を見てみましょう。

<工程表も作成していた”段取りは完璧”グループ>

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事前作成資料を確認しながら施工前の打ち合わせがスタート

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グループリーダーを中心に現場の実物を確認しながら確認

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呼び線そうにゅう器のスチールワイヤを金属管に挿入

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施工図を確認しながらIV線をスチールワイヤに固定する

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声をかけあい確認しながらIV線を通す

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差込型電線コネクタを使って通線したIV線を接続

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心配そうな先生

ボックスのカバーを閉めて確認作業にとりかかる

<たたけば響く”臨機応変”グループ>

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グループリーダーの大きな声で打ち合わせ開始
(ひとりだけ左側に離れて呼び線そうにゅう器の確認?)

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呼び線そうにゅう器担当者以外は全員で配線方法の確認

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「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
先生ではありません。仕事と勉強を両立させている学生です

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呼び線そうにゅう器担当者の出番です

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笑顔で会話を交わしながら作業が進む
手を動かさずみんなに微笑んでる学生がひとり

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そして最後はIV線を確実に接続しカバーを閉じて確認に着手

 事前の準備も、作業に対する態度も異なるふたつのグループ。
それでもほぼ同時に作業は完了。

 入学して1年も経たないのに着実に成長している学生たち。
本当に将来が楽しみな「電気工事士のたまご」たちです。