電験認定校定期立入調査が終了しました

電気電子学科は電気事業法の規定に基づく主任技術者(電験)の資格等に関する省令第1条第1項に規定する教育施設として認定されています。

認定校は定期的に立入調査を実施することが経済産業省で定められています。
本年度は定期立入調査年にあたり、調査官(経済産業技官)に来校頂き、授業内容や実験設備、実習設備を確認頂きました。

本校は2020年4月に、現在の港区芝から文京区小石川に移転を予定しています。
次回は移転後、2020年度に移転に伴う立入調査が実施されます。

2020年4月文京区小石川に新キャンパス開校
https://www.yomiuririkou.ac.jp/iten/

桂伸しん さん

桂伸しん さんがいらっしゃいました。

桂伸しんさんは、本校卒業後、大学へ進学。
その後、人工衛星を開発する企業で勤務されていました。

今は、三代目桂伸治一門の前座さんで、落語芸術協会に加盟されています。
在学当時からユニークな存在でしたが、これまでの様々な人生経験が、これからの人生に生かされることでしょう。

高校生の皆さんには、専門学校卒業後のことを想像するのは難しいかもしれません。
けれども、10代の最後に仲間と過ごした記憶と経験は、一生の宝になります。

卒業後に続く人生で、常に前向きになることができる思いでを作ってくれることを願っています。

2年間の学生生活の先にあるもの
http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52298936.html

一般用電気工作物【初学者の電気法規1】

電気工作物は一般用電気工作物と事業用電気工作物に分けられます。

電気工事士には一般用電気工作物の設置と変更が認められています。
今は第一種と第二種に分けられている電気工事士ですが、これは今も昔も変わっていません。
電気工事の欠陥による災害の発生を防止するために、電気工事士制度は作られました。
制度が作られたのは戦争が終わってから15年目で50年以上前になります。
当時の電気工事の多くは個人の住居や、個人経営の店舗などでした。
そうした電気工事の対象は、一般用電気工作物に区分される電気工作物でした。

一般用電気工作物とは外部から低圧の電気をもらって、その中だけで電気を使用する電気設備です。
当時発電設備を持っているのは一部の企業だけでした。
発電設備があれば一般用電気工作物ではなく事業用電気工作物に区分されていました。
しかし現在は、一般用電気工作物でも太陽光発電設備などの小出力発電設備の設置が認められるようになっています。

電気工事に関する法律はいろいろありますが、全体をまとめて電気法規と呼んでいます。
電気工事士は電気法規を守って仕事をします。
科学技術の発展に伴い、新しい技術を身に着けていくとともに、改正される法律も勉強し続けていくのが電気工事士の仕事です。

第一種電気工事士【電気系資格その2】

第一種電気工事士資格は昭和63年の電気工事士法改正により誕生しました。
一般用電気工作物の設置や変更作業が認められていた改正前の電気工事士資格は、第二種電気工事士資格に改正されました。
そして、第一種電気工事士には最大電力500kW未満の自家用電気工作物の作業も認められるようになり、一部の限定された高圧電気設備の作業もできるようになりました。
それまでは、自家用電気工作物を管理する電気主任技術者の監督の指示で動いていた電気工事士が、第一種電気工事士の資格を取得することで、仕事の幅を広げられるようになったのです。

第一種電気工事士も第二種電気工事士も、誰でも国家試験を受験することができます。
第二種電気工事士免状は、試験に合格するか、この学校のような養成施設を修了すれば、すぐに取得できます。
しかし、第一種電気工事士免状は、最低3年以上の実務経験がなければ取得できません。
その上、免状取得後は5年ごとに定期講習を受講しなければいけません。

第一種電気工事士誕生の背景として、昭和60年代初めに、わりと規模の小さい中小ビルや工場の自家用電気工作物で、電気工事の不備による事故が増加したため、自家用電気工作物の工事段階における保安の強化が求めれたことがあります。
従って、第一種電気工事士に対しては、電気工事に関する技術や保安規制に関する知識を常に更新していくことが求められ、社会の重要なインフラである電気設備の安全を守ると共に、作業者である自分自身の安全を守ることが義務付けられているといえます。

電気電子学科では、在学中に第一種電気工事士試験に合格し、卒業後に実務経験を積むことで免状が取得できるように受験指導をしています。

イッテコイ 【工事業界の専門用語その4】

「イッテコイ」は工事現場に限らず、舞台や映像コンテンツの制作現場や、証券取引業界などでも、同じ意味で用いられています。

配線工事では設計図などの設計の指示に従って、現場作業で必要な長さを計算してケーブルの準備をします。
配線をする区間の長さに、作業で加工する部分の長さと、ある程度のリスクを考慮した長さを加えた長さのケーブルを準備します。
必要な長さに切断をした短めのケーブルを現場に持ってくることもありますが、50メートル巻きや100メートル巻きのケーブルを持ってきて現場で切断することもあります。

「イッテコイ」は現場で長さを確認することに使われます。
例えば、入口から奥の壁まで直線で15メートルの部屋があったときに、入口から配線を開始して、奥の壁で折り返して、また元の入口まで戻って来る配線をするときに、「行って、来いで、30メートル」という表現をします。

ある位置から一定の地点まで移動して、始めの位置まで戻って来ることを「イッテコイ」と言っているのです。

第二種電気工事士【電気系資格その1】

第二種電気工事士は、電気工事に必要な基礎知識があることを証明する国家資格です。
国家資格ですから、年に2回行われる国家試験を受けて、免状を取得するのが一般的です。

電気電子学科の2年間の授業は、第二種電気工事士に必要な知識と技能を学べるものになっています。
これは経済産業省にも認められており、卒業時には「養成施設修了証明書」を発行します。
国家試験の「試験合格通知書」の代わりに、この証明書で第二種電気工事士免状が入手できます。

電気工事をするのに国家資格が必要な理由は、重要な社会インフラに関係する仕事だからです。
国家試験の筆記試験では、電気工事士が必要な知識の中から50問が出題され、30問以上の正解で合格です。
技能試験では13種類の候補問題が公表され、その中から試験当日に指定される1種類を作ります。

この学校の実習では、リングスリーブや差込型コネクタを使用しない電線の接続法から、現場で必要とされる電線管の加工などを実際に行い、現場で使える電気工事士を養成しています。
知識についても、上位資格の第二種電気主任技術者(電験二種)レベルで授業を行っています。

免状取得はゴールではなく、スタートラインと言われています。
この学校で電気工事士として身に着けなければいけない知識と技能を身に着けて、
自信を持って就職してくれることを願っています。

2年間の学生生活の先にあるもの

小学校、中学校、高校と勉強をしてきて、大学ではなく専門学校を進路選択するメリットは何なのでしょうか?

専門学校は「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことを目的としています。
専門学校を進路選択するメリットは、職業に必要なスキルを身に着けて就職するための近道ということです。

電気電子学科では、第二種電気工事士として必要な専門科目を2年間で学びます。
その他にも、更に上級の第三種電気主任技術者(電験三種)・第二種電気主任技術者(電験二種)資格を実務経験で認定してもらえるための科目も勉強します。

もしも、専門学校で電気の勉強の楽しさに気づき、大学で勉強をしたくなったらどうすれば良いのか。
そのときには、この学校を卒業してから、大学に編入学をする道もあります。
専門学校での学習内容を、大学の単位として認定してもらい、大学の2年生または3年生になることが可能です。

ある国費留学生は、この学校を卒業後、国立大学に編入学をして、国立大学の大学院を修了して日本企業に就職しました。
ある日本人学生も、この国費留学生と同じ年に大学編入をして、大学卒業後は「重電8社」と呼ばれる上場企業に就職しています。

専門学校で学ぶ2年間の先には、就職だけではなく進学という道もあるのです。

修学旅行隊が研修にやってきた

夏休みが終わって最初の1年生の電気工事実習の授業に、
中学3年生の修学旅行隊の皆さんが研修で来てくれました。

中学校の理科でも電流について学びますが、
電気電子学科では、中学校で学ぶ電流について更に詳しく学習し、
発電所から送電設備、配電設備を流れてくる電流を、
建物の中で安全に使うための工事や管理の勉強をします。

卒業時に電気工事士や電験認定資格が取れるので、
ビル内にある配電制御システムの工事や、
配電制御システムの管理関係の仕事をしている卒業生が多いですが、
配電盤、分電盤、制御盤を作る仕事をしている卒業生もいます。

これが電気の世界ですが、
携帯電話やスマホを動かしているのも電気です。
電子回路や電気通信関係の科目もあるので、
この学校を卒業してから大学に編入学をして、
大学院の修士課程を修了して、
半導体メーカーで活躍している卒業生もいます。

そういう将来のために大切なのが、
小学校や中学校で勉強する基礎学力です。

いろいろなことに興味を持って勉強し、
自分自身にあった進路選択をしてくれることを願っています。

「それなり」

ある授業で学生の皆さんに、どんな人生にしたいかをたずねました。

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それなりの仕事ができるエンジニアになりたい

それなりの暮らしがしたい

それなりに稼げるようになりたい

それなりに・・・
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それなり?
不満が決してないわけではないが、自分としては満足できるレベル

周囲の大人は頑張れ、頑張れと競争心をあおるけれど、
自分自身が満足できる目標を設定することは意外と難しい。

「それなり」ってみんなが言うけど、
ひとりひとりの「それなり」は決して同じではない。

①第二種電気工事士の資格取得
②第二種電気主任技術者(電験二種)認定資格
③工事担任者基礎科目免除
2年間で必要な単位を取得して卒業すると、
これだけのメリットがあります。

けれども、
この前、第三種電気主任技術者(電験三種)試験に挑戦した学生がいます。

これまでに、第一種電気工事士試験に合格した学生がいます。
在学中に2級電気工事施工管理技士の学科試験に合格して、
電気工事業界に就職した学生がいます。

みんなの「それなり」を応援しています。