電気室の配置【現場のなぜ?その1】

電気室が浸水したというニュースがありました。

一般的に「キュービクル」と呼ばれる、キュービクル型受変電装置は屋上などに設置され、浸水することは普通考えられないのですが、なぜ電気室は浸水するのでしょうか。

建物の規模にもよりますが、受電条件や、建物内への配電系統、接続されるその他の設備などの制約条件により、キュービクルに簡素化して収容されている機器では対応が難しいときには、建物内に電気室を作って、電気室内に受電設備機器や、配電するために電圧を下げる変電設備機器などを個別に設置して、電力会社から供給される電力を建物内(構内)で使用できるようにします。

電気室を配置するときに考慮するのは次の点です。
①電力会社から引き込むことが容易なこと
②電気室に設置する機器の搬出入が可能なこと
③電気室に設置する機器の保守スペースや拡張スペースを確保すること
④電気室に設置する機器の重量に床の耐荷重が耐えられること
⑤接続されるその他の設備(非常用発電機や空調設備など)に近いこと

⑤の非常用発電機や空調設備なども、②~④は一緒のため、これらの電気室や発電機室、空調機械室などは地下に隣接して作られることが多いのですが、現在では洪水などによる浸水対策を講じることが一般的となっています。
しかし残念なことに、配置計画や設計段階で想定できない洪水になったときには浸水してしまっているというのが現実のようです。