2012年 電気電子学科 10大ニュース

早いもので1年が終わろうとしています。
年末といえば、やはり10大ニュース。

2012年の「電気電子学科 10大ニュース」の発表です

 1年生が金属管工事に挑戦
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52086389.html
 入学した1年生の工事実習は、自分の工具に名前を書くことから始めます。入学式の翌日と翌々日のオリエンテーションの期間中に、工具を持っていない新入学生はみんな同じ工具を買うので、名前をきちんと書かなければ誰の工具なのか分からなくなってしまうからです。それでも最近の学生は非常に小さい字で書くので、2年生の実習中に確認をしてみたら、3人の工具が入れ替わっていました

 学園祭の模擬店&展示グランプリで第1位と第3位を受賞
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52088607.html
 今年の模擬店はタコ焼きに挑戦した。担当教員は頑張った。担当した学生も、おテントウさまも、彼を見放すことはありませんでした

 学園祭の打ち上げを開催
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52090024.html
 模擬店の売り上げと、グランプリの副賞で打ち上げを行いました

 2009年3月の卒業生が東大大学院に合格
 http://www.yomiuririkou.ac.jp/news/2011/0926.html
 専門学校は卒業すると就職するのが当たり前と思われている方が多いと思います。しかし、1年生で学ぶ専門科目がおもしろくなり、大学へ編入学する学生もいます。今の2年生では、高校の普通科を卒業して本校に入学した日本人学生1名、国費留学生2名の大学編入と、私費留学生の大学院入学が決まっています。

 球技大会4位に終わる
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52069805.html
 昨年はサッカーで優勝、バスケットボールは準優勝で、学院理事長から副賞も戴き盛大なお祝いを行いましたが、今年は残念な結果に終わってしまいました。

 校外オリエンテーションでスマートグリッド展を見学
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52069805.html
 毎年1年生と2年生合同で展示会に出かけています。昨年は電設工業展でしたが、今年はスマートグリッド展でした。来年は再び電設工業展の予定です。しかし、食べ盛りの若者たちは、展示会よりも、その後のホテルのバイキングランチの方が楽しみのようです。

 読売育英奨学生激励会が開催される
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52070680.html
 http://www.yomiuririkou.ac.jp/news/2012/0710_2.html
 以前に比べると少なくなりましたが、毎朝3時頃には起床をし、新聞配達を終えてから学校で勉強をしている学生がいます。そういった学生の激励会が毎年行われています。激励会ではボーリングの後に懇親会を開催。毎年豪華景品が当たる抽選会が行われています。

 保護者向け就職セミナーが行われる
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52072748.html
 http://www.yomiuririkou.ac.jp/news/2012/0723.html
 1年生の後期からビジネスマナーの授業内で就職活動について学びます。それよりも早い時期に、保護者の皆様を対象とした、授業を担当するキャリアコンサルタントと学科専任教員によるセミナーを実施しています。

 ヒューストン大学大学院生の卒業生が来校
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52069983.html
 本校を卒業後、編入学した大学を卒業して大学院に進学する留学生もいます。そんな卒業生が家族を連れて学校を訪ねてくれました。

 第39回校友会理事・評議員会が開催される
 http://blog.livedoor.jp/yomiuri_denki/archives/52072881.html
 電気電子学科の専任の先生の多くは本校の卒業生(校友)です。先輩だからこそ、自分が教わったように後輩の皆さんに親身になって指導することができます。40年以上の学院の歴史の中で、学科の新設や名称変更が行われていますが、電気電子学科は創立当初から40年以上の伝統を受け継ぎ続けています。

第一種電気工事士技能試験日の朝に

たまには真面目にブログの記事を書きたいと思います。

今日は1年に1度の第一種電気工事士技能試験が実施されます。
技能試験の受験資格は、本年度の筆記試験合格者と、筆記試験免除者です。
筆記試験免除対象者は、昨年度の筆記試験合格者と電気主任技術者免状を持っている人です。

技能試験の前提となる筆記試験の受験資格制限は特にありません。
小学生でも中学生でも、受験したい人は受けることができる試験です。
毎年約4万人(昨年度は39,821人が申込)の人が全国で筆記試験を受験し、その合格者約1万5千人と、筆記試験免除者約5千人、合計2万人近く(昨年度は20,215人が受験)の受験者が、今日の技能試験に挑みます。
そして、最終的に1万人~1万5千人(昨年度は17,104人)の受験者が合格となる試験です。

合格率は約30%、しかし、昨年度の結果を見れば、技能試験受験者の85%が合格できる試験です。
この学校でも、他の関連する資格と同様に、専任教員が春から筆記試験の指導を開始し、10月始めの筆記試験終了後から約2ヶ月間技能試験受験対策指導が行われています。

以前は卒業までに合格を目指す学生が多かったのですが、ここ数年は入学してすぐに筆記試験の勉強を始め、1年生の内に第一種電気工事士筆記試験・技能試験に合格する学生が増加する傾向にあります。

今日も、先週末まで放課後に練習を積み重ねていた、1年生と2年生の皆さんが受験をします。
落ち着いてこれまでの練習成果を再現すれば、合格は手に入れることができると信じています。

しかし、合格者が第一種電気工事士免状を手にするためには、もうひとつのハードルがあります。
学校での電気工事科目の単位修得によって、3年または5年の電気工事に従事した実務経験が必要となるのです。

この学校は、卒業と同時に第二種電気工事士養成施設修了となります。
卒業式の日に学位記と養成施設修了証明証を卒業生に渡します。
卒業生は4月に就職するまでの、卒業式後の春休み中に第二種電気工事士免状を交付されているようです。

そうすれば、就職と同時に電気工事に従事できますから、在学中の第一種電気工事士試験合格者は就職と同時に実務経験を積み重ね始めることができるのです。

今日受験する学生たちの合格を、心からお祈り致します。

学園祭の打ち上げ!!

前回のブログで、電気電子学科が学園祭の「模擬店&展示グランプリ」において、展示体験部門第一位(電気学科展示・体験)、 模擬店部門第三位(おでん屋&たこ焼き屋)を受賞したことをお伝えしました。

電気電子学科が第1位と第3位 【学園祭 模擬店&展示グランプリ】

そのブログの最後には、
「微々たる売上金と、グランプリの賞金で、授業の合間の昼食会を企画中です。」

そして今日の午前中、1年生の電気工事実習が終了した後、「電気学科展示・体験」会場となっていたこの3階の電気実験室で、授業を終えた2年生にも来てもらい、学科教員と学生全員で昼食会を行いました。
(2年生が開始時刻直前まで、教室でしばらく待たせられたらしいという話はナイショです)

卒業してしまえば多分、「ああ、そういえばあったかな~」なんて感じの学園祭打ち上げですが、実施するまでには、たこ焼き屋担当先生(以下、「タコ先生」)の涙ぐましい努力があったのです。

想定外の事件 その1

代表先生
 今年はタコ先生に準備を全てお願いしよう

タコ先生
 ハイ!わかりました! 

   
実は、昨年までお世話になっていた近所のお弁当屋さんが無くなっていた。 

想定外の事件 その2
 配達に来たお弁当屋さんに渡すお金のことを今朝まですっかり忘れていた。
 タコ先生と、弁当は12時過ぎに届くから午前中の実習中の休憩時間に、預けている口座から出金してくることを実習開始前に合意。
 しかし、10時過ぎに事務局次長が電気実験室に突然入ってきて、

事務局次長
 センセ~~~、弁当が80個届きました

タコ先生
  


大先生
 隣の部屋に入れておけ!!!

想定外の事件 その3
 弁当を実験室隣の準備室に運び終えてタコ先生に、


 先生、飲み物は?


タコ先生
 あっ!    
 いや、買いにいきます


 いつ?

タコ先生
 12時ちょっと前くらいに


 ひとりで?

タコ先生
 実習が早く終わった学生を連れて買いに行ってきます!


 あっ、そう

早い時間で実習課題を終えた1年生が、グランプリ副賞のクオカードを握り締めたタコ先生と一緒に、学校前のコンビニエンスストアまで一緒に買いに行ってくれました。
 ありがとう  

そして実現したのが、この昼食会です。
将来の電気業界を担う若者たち 

学園祭打上2012_11_22_s

タコ先生、良かったね!! 

そして、来年もみんなで頑張ろう。
しかし、2年生は全員卒業して、誰も残っていないことを願う!!

(編集後記)
ここ数回、学科のことがおもしろおかしく紹介されています。
しかし、授業は真面目に行われ、評価も厳しく実施されています。
それでも、楽しむときは楽しむのが、代表先生以下、学科の目指しているところです。
卒業後は同じ電気業界で働く仲間です!
「危険な現場では気を引き締めて職務にあたり、遊ぶときはしっかり遊ぶ。」
授業科目とは別に、2年間の学生生活で学んで欲しいことのひとつです。

電気電子学科が第1位と第3位 【学園祭 模擬店&展示グランプリ】

早いもので学園祭が終わって1週間が過ぎてしまいました。

学園祭の定番といえば「模擬店」と「学科紹介展示」でしょう。

学園祭というからには、日頃自分たちが学んでいることのアピールが第一と言いたいところですが、やっぱり「花より団子」。
「旨いものを自分たちが試食するついでに、それを売って小銭を稼ぐこと」が「学科紹介展示」よりも優先というのが学生たちの本音かもしれません。
自分たちで食べてしまって商売にならなくても、専門学校生時代の楽しい思い出になれば、それで十分だと思います。

今年の学園祭では実行委員会の初の試みとして「模擬店&展示グランプリ」が行われました。

併せて、「読売冒険王」と題して、各学科等の展示・体験コーナーへ行きスタンプを集めるスタンプラリーも実施され、各学科では趣向を凝らした学科紹介展示や体験等が実施されました。

実行委員会では各階のエレベーター前に、学園祭パンフレットに挟んでいる投票券を入れる模擬店、展示毎の投票箱を用意して、ご来場戴いたお客様と学生たちの、それぞれひとり1票が投じられた集計結果に基いて、閉会式で表彰が行われました。

今年から「たこ焼き」を始めた(実は「おでん屋」経験は3年目)担当教員は「絶対1位を取りたいです!」と言っていたので、「うちの学科は模擬店の数も一つではないし、学生数も多くは無いので期待するな!」と諭したのですが、発表を聞いてビックリ!!

以下、閉会式の様子です。

(ここから閉会式  )

続いては、模擬店グランプリの表彰式です!

各模擬店・展示場の前(または)各階のエレベーター前に設置されていた投票箱の集計結果を元に、ついに模擬店部門・展示体験部門、各上位3位が表彰されます入賞した団体にはそれぞれ金・銀・銅メダルと賞品がおくられます!

メダルを授与してくださるのは校長先生です!校長先生ステージにお願いします。

それでは早速、展示体験部門から発表です!

展示体験部門・第三位は・・・・
○○学科の□□です!

続きまして、第二位は・・・・
学科の□□です!!

そして、第一位は・・・・
電気電子学科の展示・体験です!

入賞した団体の代表者2名はステージまできてください!
第三位の団体は銅メダル、第二位の団体は銀メダル、第一位の団体は金メダルが授与され、それぞれの団体に実行委員から賞品が手渡されます!

   (中略)

続きまして、模擬店部門の発表です!

模擬店部門・第三位は・・・・

電気電子学科の「おでん屋&たこ焼き屋」です!

(以上で中継終わり   )

おでん屋を続けた先生も3年目にしてやっと報われました。

おっと、主人公は3年間「おでん屋」を担当した教員ではなく、学生たちでした。

表彰で授与されたメダルを首から下げた学生たちの勇姿です。

学園祭_2012

展示体験部門第一位 電気学科展示・体験 代表
 電気電子学科2年 K君(左)

模擬店部門第三位 おでん屋&たこ焼き屋 代表代理
 電気電子学科1年 S君(右)

微々たる売上金と、グランプリの賞金で、授業の合間の昼食会を企画中です。

1年生の電気工事実習 ~はじめての金属管工事~

電気工事士は、今から52年前(昭和35年)の10月に施行された「電気工事士法」で、その独占業務と業務遂行に伴う責任や義務が定められています。

電気工事士法第3条各項では、有する電気工事士「免状」や「認定証」の種類に応じて、従事が可能な電気工事が明確に定められています。
つまり、医師や弁護士の資格が無ければその業務ができないように、電気工事もその工事内容に応じた電気工事士「免状」や「認定証」が無ければ業務に従事することが法律で禁止されています。

「第二種電気工事士免状」については、電気工事士法第4条4項で、免状取得方法として3つの方法が示されています。
それは、

①  第二種電気工事士試験に合格した者
 経済産業大臣が指定する養成施設において、経済産業省令で定める第二種電気工事士たるに必要な知識及び技能に関する課程を修了した者
③  経済産業省令で定めるところにより、②に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有していると都道府県知事が認定した者
です。「第二種電気工事士免状」は、この①~③のどれかに該当しなければ取得することができません。

受験制限も無く、広く一般に免状取得の機会が与えらえているのが、年2回実施されている①による方法です。
この試験は全国で毎年約10万人が受験申込をしています。

この学校の電気電子学科(定員40名)の卒業生は、②の経済産業大臣が指定する養成施設を修了した者として認められます。つまり、卒業と同時に国家試験合格者と同等の能力を備えていることが認められるのです。

年間10万人の受験者が筆記試験に合格することで、その受験が許される技能試験は、電気工事士の業務遂行に必要な最低限な技能を修得しているかどうかをサンプリング的に確認している試験といえます。

実際の電気工事の現場では、技能試験に合格しただけでは対応できない様々な作業が存在します。
その点、養成施設となっている専門学校では2年間の電気工事実習で、現場の即戦力となるために必要な様々な作業についても、2年間の電気工事実習で学生たちに実際に体験して身につけることができるように、体系化されたカリキュラムに基づいて授業を行っています。

毎年この時期に行っている1年生の金属管工事の実習についてご紹介したいと思います。
各画像のコメントはフィクションですが、画像は実習の実際の様子を撮影したものです。

12_10_26_01若先生
さあ、今日は金属管工事だよ

学生 
う~ん、なんだか切りにくいな

12_10_26_02大先生
腰に手なんか当てて、真面目にやってるのか

若先生
う~ん、なんかおかしいね

12_10_26_03大先生
オレに見せてみろ

12_10_26_04大先生

学生
先生が見ていない間にサッサッサッ

12_10_26_05学生
バリ取り作業もこのとおりさ

 大先生
 おお
 すごいじゃないか
 やっぱり工具が良くなかったんだな
 君たちはすごいよ
 もっともっと頑張れよ
 君たちなら良い電工になれるぞ

「立上り」と「引下げ」 【工事業界の専門用語その3】

電気の工事現場では、「立上り(たちあがり)」や「引下げ(ひきさげ)」という言葉が使われます。

これは、日本工業規格 JIS C 0303:2000 「構内電気設備の配線用図記号」で定められている図記号の名称で、電気工事士の試験にも出題されます。

それで、つい使ってしまうのが、「引下げ」に対して「引上げ(ひきあげ)」です。
図面上では、上のフロア(階)から下のフロア(階)に配線を下げることを「引下げ」、逆に上げることを「立上り」と呼んでいます。

従って、「引上げ」ではなく、「立上げ」が正しい呼び方なのですが、実際の作業では上から引張り上げることもあり、「引上げ」が間違いとは言えません。

しかし、「立下げ(たちさげ)」?
これは日本語として問題があります。

立つということは、座って下にいる状態から、立ち上がって上方向に向かうことです。
だから、下に向かって立つという日本語は間違いです。

「引下げ」に対して「引上げ(引き上げ)」が用いられるように、「立上り」に対して「立下げ」をときどき現場で耳にしますが、これは明らかに間違いです。

現場には老練な物知りで厳しい大先輩もいます。
現場で叱られることが少しでも減るように、しっかりと正しい言葉を覚えましょう。

但し、先輩の皆さんから叱られることを恐れてはいけません。
叱られるということは、それだけ叱ることで成長すると期待されているのですから。

サラカン、タケカン、クダカン 【工事業界の専門用語その2】

電気工事実習では、卒業時に養成課程の修了が認められる「第二種電気工事士」のレベルを超える内容も勉強しています。

電気工事系科目の講義でも、「第二種電気工事士」が知らなければならない知識に加えて、卒業後に電気工事の現場に出ても困らないためのお話しをしています。

前回は、「施工」について書きましたが、新築現場での工事が始まると、現場事務所が工事敷地内に建てられ、その工事仕様や工程の進捗に関する会議が関係者全員を集めて現場事務所で定例的に行われます。

製品の仕様は決まっているものの、どのメーカーの何にするかが具体的に決まっていない場合や、現場での製品の設置場所や寸法の確認、調整にメーカの方が現場事務所で行われる会議に出席することがあります。
現場の会議では、「サラカン」、「タケカン(クダカン)」という言葉が普通に交わされ、メーカーの方は理解に苦しむことが少なくないようです。

電気工事業を営むためには、電気工事士と電気工事施工管理技士の有資格者が原則的に必要です。
電気工事士に第一種と第二種があるように、電気工事施工管理技士には1級と2級があります。

電気工事士は電気工事士法で定められている資格ですが、電気工事施工管理技士は建設業法で定められている資格です。

① 自社の立場は、元請なのか、下請の協力会社なのか?
② 元請の場合、協力会社に支払う下請負工事代金の総額はいくらなのか?
建設業法では、この2つの観点で、現場に配置すべき技術者を2種類に分かれています。

その2種類の技術者が、「監理技術者」と「主任技術者」です。

1級電気工事施工管理技士は、監理技術者にも主任技術者にもなれます。
2級電気工事施工管理技士は、主任技術者にはなれますが、監理技術者にはなれません。

そこで、配置すべき技術者(監理技術者、主任技術者)や、技術者の資格(電気工事施工管理技士)の話しになったときに出てくるのが、「サラカン」や「タケカン(クダカン)」という言葉です。

いちいち監理技術者というのは面倒なので、「皿(サラ)のついている漢字を使っているカンリ」なので「サラカン」と略して言います。
施工管理の管は「”たけかんむり”の”くだ”という漢字が用いられているカンリ」なので、「タケカン」または「クダカン」と略されます。

建築設計の世界の「設計・監理」という業務もあるのですが、現場事務所の会議で話している人たちは、業務に関する話をしているのか、配置すべき技術者を話しているのか、管理について話しているのかをを理解しあって話しているので、当事者間ではコミュニケーションが成立しているのですが、業界外からの会議出席者にはどうやら意味不明になってしまうようです。

2年間の在学期間で、電気工事士に必要な技能と、工事現場の仕事で必要とされる知識の両方を、しっかりと学んでもらえるように、授業の内容を担当する教員がいつも考え続けています。

この学校の卒業生は、2級電気工事施工管理技士の受験資格においても政令で優遇されていることは、電気工事業界への就職を目指す方にはメリットだと思っています。

「セコウ」と「シコウ」 【工事業界の専門用語その1】

夏休みが終わり、1年生も2年生も授業が始まりました。
2年生の夏休み明けの授業の最初は「工事施工法」。
「こうじ・せこう・ほう」と読みます。

電気の仕事には、前回ご紹介したように多くの法律が関係しています。
11月の2級電気工事施工管理技術検定に向けて、2年生の受験希望者向けの講義も再開しました。
夏休み前に施工管理法を終え、夏休み明けからは法規に取り組んでいます。

そこで目の前に出てくる言葉が「施行」
「せこう」とも読みますし、「しこう」とも読みます。

工事業界では、「施工」と「施行」を区別するため、
「施工」を「せこう」、
「施行」を「しこう」、
と読んでいます。

それでもときどき分電盤の銘板に「○○年○○月○○日、○○○○株式会社 施行」というのを見かけます。
「施行」ではなく、「施工」が実は正解です。

卒業するまでに、しっかりと覚えていただきたいと思っています。

電気工事業という仕事

電気工事士の仕事と言えば電気工事です。
しかし、電気工事「業」を営むことが認められている組織の一員にならなければ、電気工事をすることはできません。
これは、電気工事が社会にとって、安全、安心なものとして適正に行われることを目的としています。

「電気工事士法」
電気工事士法は、電気工事士の資格や義務が明示され、電気工事による災害を防ぐことを目的としています。
電気工事士が取扱う電気設備は「電気工作物」と呼ばれ、電気事業の運営を定める「電気事業法」と関連があります。

「電気工事業法」
正式な名前は「電気工事業の業務の適性化に関する法律」と言います。
この法律は、電気工事業者の登録などと、業務の規制について書かれており、電気工作物の保安の確保を目的としています。

「建設業法」
現在、建設工事は28種類あります。電気工事も建設業のひとつです。
建設業法では、建設業者の資質の向上や、建設工事の適正な施工について定められ、建設業に関係する発注者や下請負業者の保護も目的としています。

電気工事の仕事に就くためには、災害事故を起こさずに電気工事ができるだけではなく、社会で暮らす人々が電気を安心して使うことができる設備を作り、お客様や一緒に働く仲間と一緒に業界を発展させることが大切とされています。

だから、電気工事屋さんの入口には「電気工事業」に関する掲示が2枚あります。
① 登録電気工事業者登録票 (電気工事業法に基づく)
② 建設業の許可票 (建設業法に基づく)

こういった法律や、工事屋さんの入口にある掲示の話だけでは「電気工事業」をイメージするのは難しいと思います。
しかし、社会で暮らす人々が何も気にすることなく、当たり前に電気を使えることを支えているのが「電気工事業」という仕事であることが分かってもらえれば嬉しいです。

電気工事のオリンピック

7月27日、イギリスで第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)が開幕しました。
連日、ロンドンから日本選手団の活躍が報じられています。

電気系国家資格として「電気工事士」があり、毎年多くの方が受験をしています。
資格が有名な一方で、知る人ぞ知るのが「電気工事のオリンピック」です。

「技能五輪」と呼ばれている、この職業に関するオリンピックは、競技種目が電気工事の他にもあり、50弱の職種で各国の代表が磨いた技を競いあっています。
第41回技能五輪国際大会日本選手団の成績について (厚生労働省のWEBサイトへリンク)

厚生労働省のWEBサイトにもあるとおり、昨年10月には第41回技能五輪国際大会がイギリス(ロンドン)で開催されました。
日本選手団は、39種目に参加して11種目で金メダルを勝ち取ることができました。
「ものづくり」のパワーが衰えていると感じられる日本ですが、この「技能五輪」は参加資格が22歳以下という条件もあり、まだまだ日本の若者たちも捨てたものではないという嬉しい思いを抱いています。