よびせん 【工事業界の専門用語その4】

「よびせん」は「呼び線」と書きます。
「予備線」ではなく「呼び線」、「呼び線そう入器」の「呼び線」です。

新築工事などで建物の壁の中に電線用配管を埋めるとき、配管工事の担当業者さんから「よびせんはどうしますか?」と尋ねられることがあります。
尋ねて下さる業者さんは良心的なほうで、配管のお願いをするときに一緒にお願いをするのが常識ともいえます。

呼び線の片側へ配線(通線)する電線を固定して、固定した逆側の配管出口から呼び線を引っ張ることで、引っ張る方向へ電線を呼ぶことができます。
だから「呼び線」です。

配管はCD管を使うことが多く、コンクリート打設前に配管をきちんと固定しますが、OA床(フリーアクセスフロア)の床パネル下の有効スペースなどに横方向から出てくる場合に、何らかの原因によりコンクリート打設後に移動してしまうこともあります。
そのときには配管配線図面を参考に、逆側から呼び線を出し入れしてみることで、探してみるという方法もあるので、呼び線は入れておくのが良いと思います。
ある新築工事では、配管出口が10メートル程度移動していたこともありました。

呼び線を入れる作業からすれば、後から配線(通線)する電線用の予備として入れる線なので「予備線」と言いたい気持ちは理解できますが、「予備線」ではなく「呼び線」が正解です。

現場を経験せずに第二種電気工事士の勉強をしたときに、「呼び線そう入器」の写真を見ただけでは使い方が想像できないかもしれませんが、呼び線の入っていない配管の場合には、呼び線そう入器のスチールを回転させながら配管に入れて行き、配管の逆側に出たら電線を固定して、巻き戻しながら配管に入れたスチールを手前に引くことで、配線(通線)作業を行います。